ビゼンクラゲは中国産の「大連クラゲ」と東南アジア産の「チャイナタイプクラゲ」が今流通しています。以前は「大連クラゲ」が中国料理のメインのクラゲでしたが、今は中国国内用に加工され、今までのような品質の良い「大連クラゲ」は期待できなくなり、高級品のイメージがなくなってきています。

 

(傘の部分、Body)

(1)「大連クラゲ」

<産 地>
中国渤海湾、山東省、江蘇省北部地区
<規 格>
皮・1級(33cm以上)、2級(28 ̄33cm)、3級(23 ̄28cm)、4級(18 ̄23cm)
<状 況>
今は小さいサイズの頃早く漁をして獲ってしまい、中国国内用として1回しか加工されず、3回加工する日本向けクラゲは加工されなくなりました。最近天然物は漁も少なくなってきており、今後天然物の大連クラゲは期待出来ず、養殖物だけになる可能性があります。
<肉 質>
軽く巻いて、肉は薄目で、以前と比べると歯ごたえも柔らかくなりました。
<養殖物>
中国では大連クラゲの養殖もされており、実際日本にも輸入され今使われています。養殖物は色は白っぽく、肉質は天然物に比べると柔らかいです。養殖だから安いかというとクラゲはそうではなく、加工すると歩留りが悪くその分高くなってしまいます。
<使用先>
中国料理の前菜として使われています。

 
 
大連クラゲ
  大連クラゲ加工の池   大連クラゲ裏皮剥ぎ
 
 
防空壕の中の加工場(大連)
  大連クラゲ1級品   大連クラゲ3級品
     
加工した養殖大連クラゲ   養殖大連クラゲ    
 

(2)「舟山クラゲ」 (3)「呂四クラゲ」

<産 地>
(2)中国上海沖合舟山群島、(3)中国江蘇省南部
<状 況>
以前は最高級のクラゲとして流通していましたが、今はほとんど獲れていません。よって原料を中国渤海湾地区や山東省から買い付け加工している人もいます。


(4)「チャイナタイプクラゲ」

<産 地>
インドネシア、マレーシア
<規 格>
AAA、AA、A、B、C、D(大きいほど肉厚です)
<状 況>
以前と比べると板の大きさは小さめになっており、漁も不安定になっています。最近は中国にも輸出され、また中国が原料から中国式の加工方法で加工するケースも出てきました。よって中国でチャイナタイプクラゲを買うことも出来るようにもなりました。
<肉 質>
軽く巻き、白っぽく、プリプリ感があります。
<特 徴>
特に早くもどるため「チャイナタイプクラゲ」のファンも多く人気のあるクラゲの一つです。
<使用先>
中国料理の前菜として、肉質を重視するお店で使われています。

 
 
チャイナタイプクラゲ皮
  チャイナタイプクラゲAA    

 

(足の部分、Head)

(5)「大連クラゲ頭」

<産 地>
中国渤海湾、山東省、江蘇省北部地区
<規 格>
白・淡・紫、色で分けています
<状 況>
中国では、皮より頭の方が歯ごたえがあるため皮より頭が価値があり、単価も高く、「紫色の大連クラゲ頭」が最高級のクラゲです。よって今は白淡紫に分けないでほとんど中国国内で使われています。日本には単価が高くても使うお客さん向けに少しだけ輸入されています。
<肉 質>
コリコリ感がかなりあります。
<使用先>
日本ではスライスして中国料理の前菜に使われ、高級な「お刺身くらげ」としても使われています。

 
 
 
加工された「大連クラゲ頭白」
  大連クラゲ頭    

(6)「チャイナタイプクラゲ頭」

<産 地>
マレーシア、インドネシア
<使用先>
加工用で使われています。

 
チャイナタイプクラゲ頭